二−10 教育行政

 次に、2点にわたり教育長にお尋ねいたします。

 (1)消費生活に関する教育の必要性について
 毎日のように巧妙な話術や手口で大金をだまし取られた「おれおれ詐欺」に被害がマスコ
ミをにぎわしております。他人ごとだと笑っていても、いざ自分がその立場に立たされると、
気が動転してだまされてしまうようです。

 過日、私のところにもこんなものが来たといって駆け込んでこられた方がありました。持っ
てこられたはがきには、電子消費料金未納分請求とか電子消費者民法特例法、法務省認
可通達書といったありもしない法律用語が並べられ、連絡しないと差し押さえをするとおど
かす、いわゆる実体のない政務を架空請求するものでした。

 幸い相談していただいたことで事なきを得たのですが、こうした詐欺事件にまで至らずと
も、身近に危うい手口が大変多くなりました。無料で日用品を配った後に高価な品物を契
約させたり、無料点検と称して工事を迫ったり、日中ひっきりなしにかかってくる勧誘電話
等、あの手この手の商法が迫ってまいります。

 そして、最も悲惨で危険なのがサラ金地獄に陥った場合です。初めはわずかの金を借り
ることから出発しても、金利も高く、返済のため次々に借りていって、最後は支払える金額
ではなくなってしまう。この場合は警察に訴えるような違法性もなく、あくまでも借りて自身の
問題として解決を迫られます。結局、多重債務を整理して返済するか自己破産するしか道
はなく、そこに行くまでに悲劇的な結末に至るケースもあって、何ともやり切れないのであり
ます。

 県や市町村、また警察も、消費者相談、啓発に取り組んでおりますが、私は、さらに一歩
進めて、学校でも消費生活に関する教育を行うべきと考えるものです。特に就職や進学で
親元を離れる子供たちには、こうしたよのなかの仕組みや危険を勉強させて、賢い消費者、
社会人へと育てていくことが必要です。具体的に金融経済の仕組み、とりわけローンやクレ
ジットカード、さらに銀行の仕組みなどについては、成人した後でも理解に乏しいことが少な
くありません。こういう事柄を、現在恐らく社会科であるとか総合学習の時間に部分的には
取り上げているのかもしれませんが、消費生活の仕組みに特化した科目、時間を設定する
ことが、時代の経済社会を担う賢い消費者育成のためには、大変有効であろうと考えます。
この点について、教育長のご所見を伺います。


(2)「米子白鳳高等学校」開校に向けて
 現在、さまざまな理由から学校に行くことができない不登校の子供の数は、全国で12万
人とも13万人とも言われております。県下の小中学校においても、不登校児の存在とその
対応は大きな問題となっているところでありますが、こうした子供たちの中学校卒業後の進
路については、本人、家族にとって非常に頭の痛い問題で、行き場のないまま引きこもりに
なったり、非行に走ったりするケースも多いのであります。義務教育の間は、たとえ不登校
状態にあっても学校も責任を持ってくれますが、卒業すれば頼るところもなく、行き場もなく
なってしまうわけです。

 今春、鳥取市に開校された鳥取緑風高等学校を見てみますと、入学者の約6割が不登校
経験者であり、どれほど多くの子供たちが行き場を求めていたかを如実に物語っておりま
す。

 こうした不登校経験者や高校中退者を受け入れる高校として、鳥取緑風高校に次いで来
春、県西部にも米子白鳳高等学校が開設される運びとなりました。高く評価するとともに、
生徒一人一人が希望を持って学ぶことができる場であってほしいと心から願うものでありま
す。

 そこで、本県教育が目指す理想を、米子白鳳高校にどのように具現化されようとお考え
か、藤井教育長の抱かれる高邁な教育論と新しい学校づくりにかける情熱のほどをご披露
いただきたいのであります。



                                      教育長の答弁



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